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おんがくとピアノのことを書いています

ピアノのメカニカルな演奏技術の向上に関する結論

ピアノのメカニカルな側面(弾くためのフィジカルな技術)について試行錯誤してきましたが、

 

結論としては、そもそもピアノ以前の問題として、

 

ホモ・サピエンス本来の理想的な姿勢とパワートレイン(動力伝達のしくみ)を維持することが、この世にフィジカルに健康的に存在しつづけるために欠かせないということを悟りました。

 

それができていれば、ピアノでもダンスでもスポーツでも、運動の基本的な感覚ができていることになるので、上達の効率が格段に上がると思います。

 

というのは、スダンナユズユリーの動画をぼう然と見て考えたり(ダンスが上手で私と同じ人間とは思えないよorz。。。)、合気道のサイトを読んで大いに納得したり、過去にヒップホップダンス(落ちこぼれてやめた)やフェルデンクライス(3回)や呼吸法(1回)やこんにゃく体操(2回)のレッスンで先生が言ったことを思い出したりしながら、姿勢とパワートレインの試行錯誤を続けたら、肩の力が自然に抜ける楽な姿勢や立ち方がわかってきて、そうしたら、ピアノを弾くときも音量の調節がしやすくなったり、アルペジオが決まるようになってきたり、肩がほぐれてきたりしたからです。

 

つまり、日常生活で人間にとって構造的に自然な本来の姿勢と動きができていれば、ピアノ演奏のメカニカル面で要らぬ苦労をすることもなく、またピアノを弾いて肩が凝ることも手を痛めることもないと思うからです(一日に10時間とか弾くプロについてはわかりませんが)。

 

しかしながら、この、ヒト本来の姿勢とパワートレインを会得して維持することが、現代の生活ではいかに難しいことかと痛感します。

 

なぜかというと、狩猟採集をしていた時代と、現代では、ヒトが生き延びるための身体活動が違いすぎるからです。

 

原始時代は、自分の足で野山を駆けて、自分の手を動かして獲物を取って、生命を維持していました。また、捕食者から逃げる時も、自分の足で走って逃げたり木に登ったりして、命をつなぎました。パワートレインの稼働率100パーセントでした。

 

ところが現代では、プロのスポーツ選手やレスキュー隊やダンサーでない限りは、一日じゅう椅子に座ってパソコンで仕事をしたり、電話や会議で相手と交渉したり、お店で品物を販売したり、パワステの車両を運転したりと、身体をあまり動かさずに、生命を維持するために必要な食べ物や衣服を買うお金を得ています。

 

このため、現代人の多くが猫背で、股関節や肩まわりがガチガチに固まってしまっています。姿勢が不自然で肩に力が入りまくっていて、運動不足でパワートレインがサビついてしまっているのです。

 

ところが、ピアノをメカニカルな面で上手に弾くためには、ヒト本来の姿勢(力が自然に抜ける姿勢)ができていて、それによってパワートレインがスムーズに効率的に動くことが必要です。だってピアノは、身体を動かして弾くんですから(念力で鍵盤は動かないんだ)。

 

ピアノにかぎらず、ドラムもギターもチェロもスポーツもダンスも歌も何でも、人間の身体が今の形状である限り、そして精神力で物を物理的に動かせない限り、人間がその身体を動かしてする活動は、みんなそうなんです。

 

つまりは、たとえばフルタイムの会社員が趣味でピアノを弾く場合、まずは自分の身体のパワートレインを柔軟に保つことから始める必要があります(一流ピアニストのように美しい音色で流麗に弾こうと思うなら)。

 

ところが実際のところ、毎日心身を仕事に費して疲れて家に帰ったらご飯を食べてバタンキュー、週末は洗濯や買い出しなどの家事に追われるような生活で、ピアノはおろか、身体を柔軟にメンテナンスすることだって、至難の業です(フルタイム勤務のころのわたしは追われるように生きていた)。

 

ましてや、いまはフルタイム勤務じゃなくても、子どものころから身体が固くてスポーツおんちの私みたいな人間は、ホモ・サピエンスとしてのフィジカルの健康維持のために、まずは身体を柔軟にするところから始めなければならず、ピアノどころではありません。

 

ここまで見えてしまったので、私の場合は、ピアノ演奏におけるメカニカルな技術面については、これ以上クヨクヨしないことにしました。

 

これには個人差があると思います。大人も子どもも、身体が柔軟で体幹を使った動力伝達ができている人は、ピアノを弾くコツを会得しやすいと思います。武道の有段者や、ヒップホップダンスが上手い人、スポーツが得意な人などです。

 

そういう大人や子どもは、ピアノの先生に「腕の力を抜いて」とか「指の腹で弾くように」と言われただけで、運動オンチに比べてはるかに早く、いい音が出るようになって、演奏技術も向上すると思います。

 

だって、ピアノを習う以前に、おおもとの肝心かなめのことができているんですから。おおもとの肝心かなめは、指や腕よりもはるか中心の、身体の芯にあるんです。

 

そういう大人や子どもを、ピアノの先生は「勘がいい子(人)」と思うと思いますが、それをわかるすべもない、身体の固い運動オンチは、肝心かなめのことに光を当ててもらわないかぎりは、末端を不器用に動かすばかりで、「勘が悪い子(人)」と判断されてしまいます。

 

「勘」や「センス」なんていう非科学的な判断じゃなくて、本当に大切な、おおもとの肝心かなめのことを教えてもらったら、それを意識して練習するなどの工夫をして、少しはできるようになるかもしれないのに。

 

でも、指導する側で、そこまでわかっている人がどれだけいるのか?という疑問があります。そうでなければ、アレクサンダーにしてもフェルデンクライスにしても、音楽のプロ向けのレッスンを恒常的に運営することはないと思うからです(それにお金を払う人が一定数いてビジネスになるからレッスンを運営するわけで)。

 

前からそんな気がしていたので、ピアノのレッスンは今は受けていません(現状の私にとっては月謝の無駄)。私の場合は、子どものころから今まで複数の先生に習ってきましたが、おおもとの肝心かなめのことに言及した先生は残念ながらいませんでした。

 

運動オンチで身体が固いうえに、パソコン仕事で肩も腰もバキバキなので、まずは自分の健康のために、身体の柔軟性を上げて、パワートレインを潤滑に動かすことから、ゆっくりやっていこうと思います。そうすれば、結果的にピアノ演奏のメカニカルな技術も向上するでしょう。

 

そのために注目しているのが全身を使った運動で、とくに合気道などの日本古来の武術です。日本古来の武術は、貧弱な体格の日本の武士が命のやり取りをする極限の身体活動のために、身体の動きを最大限に効率化する知恵の集積だと思います。日本人(東洋人)の体格は、西洋人にくらべてはるかに貧弱なので、自分の人種に合ったパワートレインの強化と効率化に興味を持っています(もっとも、フェルデンクライスもアレクサンダーも、根底にあるものは合気道と同じと思います。)。

 

子どものピアノについては、少子化で子供の数は減っていますが、学校でダンスが必修化したので、授業や学外のダンス教室で運動センスが向上して、ピアノを上手に弾けるセンスを持った子が相対的に増えているかもしれません。エグザイル(hiro)の戦略はすごい(わたしがエグザイル・トライブのように踊れたらピアノもさぞかし上手いだろうに。。)。

 

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