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おんがくとピアノのことを書いています

クラシック音楽理論は英語になるとポップス&ジャズの人にやさしい

 

とてもわかりやすいクラシック音楽理論の動画を見つけました:

Seth Monahan教授(Eastman School of Music)の動画:

クラシック音楽理論:Lesson 1: Major Scales

②カウンターポイント(対位法):Harmonic Species Counterpoint: Lesson 1

 

西洋人向けの英語の動画ですが、日本人でもポップスやジャズをやっている人だったら、動画のスライドを見て内容をだいたい理解できます。

 

なぜなら、この動画には、ポップスやジャズの人にとって音楽用語の言語障壁がないからです。

 

ハ長調」は「Cメイジャー」、「嬰へ長調」は「Fシャープメイジャー」ですし、「(固定)ドレミファソラシド」は英語読みの「C D E F...」です。

 

この動画に限ったことではありませんが、クラシック音楽に関する英語の動画は用語もぜんぶ英語です。

 

ルート、スケール、ケイデンス、インバージョンやザ・サークル・オブ・フィフスなど、ポップスやジャズをやっている人ならまったく問題ありません。

 

バッハの時代に鍵盤楽器の伴奏用に使われていたフィギュアド・ベース(figured base)の説明もあります(これで、バッハのコラール集の2声の曲のベース音の上に書いてある小さい数字の意味がわかった)。今でもこのフィギュアド・ベースの数字がインバージョンを表す記号に使われているので、そのルーツを知ることができました(イギリスではインバージョンを「a」や「b」で表すかもしれません)。

 

それに、この方の動画の Lesson 1(メイジャースケール)で、オープニングテーマ曲のあと最初にでてくる音は、ブルーススケールの音です。つづいて、ホールトーンやディミニッシュ、ミクソリディアンモードといった、おもに20世紀以降の音楽で使われるスケールの例を紹介したあと、ようやく、西洋音楽で昔から使われているメイジャースケールの説明にはいります。カウンターポイント(対位法)の動画では、ビートルズの音楽が使用例として紹介されています。アメリカの音楽理論の動画には、クラシックから発展したジャンルへのつながりを感じさせます。ジャズやポップスがアメリカ(とイギリス)を中心に発展したことをが背景にあるのかもしれません。

 

そのうえ、例にあげられるクラシック曲が、クラシックにウトい私でも知っているメジャーな曲が多いので、「この曲のこの部分って、こうなってるんだ!」と楽しめます。

 

動画主のSeth Monahan教授は、Eastman School of Musicの教授です。ハーモニー(和声学)の元祖 Johann Joseph Fuxの英訳版「The Study of Counterpoint」を英訳したAlfred Mann教授と同じ大学の教授です。

 

カウンターポイントは西洋音楽(当然ポップスやジャズを含む)の出汁(味の基本)だと思いますが、この教授は、入口の敷居を低くしてわかりやすく説明しようとしています。

 

動画を見てひとつ気に留めたいと思ったのは、アメリカ英語とイギリス英語で、音楽の用語がいくぶん違うと思われる点です。インバージョンの表記のほかにも、この動画では、「Cメイジャーのレラティブ・マイナーはAマイナー、パラレルマイナーはCがルートのマイナー3種類(ナチュラル、ハーモニック、メロディック)」ですが、これはアメリカ英語の言い方かもしれません。イギリスやヨーロッパ人が話す英語(つまりイギリス英語)では、Cメイジャーに対してAマイナーをパラレルマイナーと呼んでいるかもしれません(日本ではこっちの呼び方の日本語訳ですね)。

 

わたしはドイツ語より英語のほうが少しはなじみがあるのと、「法」や「学」などの漢字を使うとなんだか必要以上に難しそうに思えてしまい、英語の音楽用語のカタカナ書きのほうが簡単そうに感じるので、そうしています。音楽で英語圏に留学したい人や、音楽の仕事で英語でコミュニケーションをする必要がある人は、こういった動画を見ると用語や言い方を知ることができて役にたちます。

 

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