た・ま・な・お・と

おんがくとピアノのことを書いています

ピアノを独学している人の動画

ピアノ演奏でいちばん大切なものは何かを教えてくれる、ピアノを独学で練習している人の動画です。これがです(じゃなくてね): 

 

① 2 YEARS PIANO PROGRESS - (SELF TAUGHT)

まったくの初心者から2年間の独学でこんなに自由に弾けるようになるんですね。アレンジもするようになって本当に楽しんでますね。それにしても指が長くてうらやましい(小指が私の薬指ぐらいあるよ)。

 

➁ Adult Piano Progress - My 1 year Piano progress

この人も初心者から1年でこんなに、ジャンルをまんべんなく弾いてます。「スケールの練習が役にたっている。スケールは一朝一夕に上達するものではなくて、1年2年~とかかるから、なるべく早いうちからスケール練習を始めるといいと思う」と語っていますが、やっぱりそうなんだね。(↑動画を最後まで聞くと、先生に習っているようですが、先生の影が薄い。ゼルダの伝説からベートーベンまで、自分がやりたい曲を選んで、練習本も中断したり再開したりと、自分主導でやっている感じをとても強く受けます。)

 

③ Self Taught Pianist:

動画を撮影した人は、この人の演奏に耳がとまって、いったんは帰りかけたんだれど、ひき返して、「もう一回ひいてください」って頼んでいますね。アカの他人にアンコールを頼まれたこの人は、真のピアニストですね。

 

演奏者が心から楽しんで、のびやかに自分を表現することが、いちばん重要なことなんだと、改めて教えられました (ミスタッチにビクビクしたり、楽譜の指示を遵守しようとするあまり緊張して弾く演奏は、聞けたもんじゃないものね)。これらの動画を見て、手の形がどうとか、電子ピアノだからとか、あげつらう人がいるとすれば、その人がやっているのはだと思います(の本質をまったく理解していない)。

 

①➁③ の動画ともに、日本の曲が含まれていますね。とくにアニメやゲームに乗って、日本人作曲家の音楽がいとも簡単に海を超えていくんですね。聞いてすぐ日本の曲かな?って思える、漬け物臭いというか味噌汁臭いというか、そんな懐かしさのあるメロディーやコード進行がいい。日本独特の音楽は海外で強いですね(オリジナル性があるからだね)。

 

日本の芸術の最高学府を出た作曲家の卵が、フランスに留学して苦学の末にドビュッシーの作曲法を会得して、ドビュッシーそっくりの音楽を作れるようになり、フランス人の前で演奏したら、「まるでドビュッシーそのものだ、スゴイスゴイ! で、あなたの国の音楽は?」って聞かれた、という話を、音楽業界に携わる方から聴きましたが、フランス人特有のキツ~い皮肉だったのかな。フランス人は、自分の文化にないオリジナル性のあるものはすぐ評価するようだね(アメリカのモダンアートも、まずフランスでウケたあと、本国での評価につながったと何かで読んだ(おフランスのお墨付きが出たからだろうね、アメリカも日本と同じようなところがあるんだね)。ジャズもそうだったんじゃないかな。川久保怜など日本人のファッションデザイナーもそうだよね。日本の漫画やアニメもそうなんだよね、日本の漫画は江戸時代の大衆本の挿絵そのものだもんね)。

 

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黒鍵ヘビーなキーと仲良くなりたい

この2年間、Gb(F#)やDbやBのメイジャーキー(とそのレラティブ・マイナーキー)といった、黒鍵ぜんぶをつかうキーと、なんとかお近づきになれないものかとやってきたら、前よりもすこしだけ仲良くしてもらえるようになってきました。

 

というのは、黒鍵が多いキーは難しいとか、苦手だと思っている人が、私を含めて多いような気がしますが、それは、難しいのではなく、単に慣れていないだけだと思ったからです。

 

南北(上下)がひっくりかえった世界地図を同じで、見慣れないとものすごく当惑&狼狽しますが、見慣れてしまえば別になんのことはないんだと思います。

 

子供のころ最初にひいた 「ねこふんじゃった」の勢いで、そのまま Gb(F#)メイジャーキーの曲ばかり練習していたら、黒鍵ヘビーなキーへの苦手意識は生まれなかったはずなのです。それなのに、「『ねこふんじゃった』なんて、くだらない」と見下していたから、今になって「ねこふんじゃった」から手痛いしっぺ返しを食らっているのです。

 

「ねこふんじゃった」のキーのGb(F#)メイジャーは、南北さかさまの世界地図みたいに、Cメイジャーの反転型です(「ドレミソラ」の黒鍵と白鍵がタスキがけで入れ替わっているのと、「ファ」と「シ」が入れ替わっている)。だから、思ったより配置を覚えやすいので、慣れれば仲良くなりやすいと思いました。それに、ドミナントサブドミナントのキーがDb(C#)とCb(B)なので、Gb(F#)メイジャーを中心にやれば、黒鍵全部をつかうこれら3つのメイジャーキー(とそれらのレラティブ・マイナーキー)と効率的に仲良くなれると思って、いろいろ試しはじめました。

 

まず、ハノンをこれらのキーで弾くことから始めて、同時に、歌謡曲やポップスの何曲かを、左手をトライアド(3和音)で伴奏しながら右手でメロディーを弾くことをぽつぽつとやっていました。曲は、マイク真木さんが歌った「バラが咲いた」やビートルズなど、シンプルかつ強力なメロディーで、途中でマイナーに転調する名曲を、間違いまくりながらぽつりぽつりと弾いていました。

 

今年の初めからは、ハノンから、もっと単純だけど12キー全部で練習するのがデフォルトのベリンガーに切りかえました(わたしの目的に合っている)。そして、メイジャースケールと(ジャズの)メロディックマイナースケールのモードを12キーで覚えようとし始めました。これが私にとってはとても大変で、今でも、間違いながらなんとかゆっくり弾けるようになった程度です(バカなので仕方ありませんが、これが仕事だったらもっと早く覚えるんだろうけどね)。

 

一方で、モンク大師のトランスクリプション譜「Round Midnight」(Ebマイナー)を今年のはじめから練習し始めましたが、まったく歯が立たなかったので、まずコード進行を覚えることから始めて、 II-Vプログレッションを確認したりしてから、譜読みを始めました。そもそも、まずは楽譜をたんねんに読み込んで、曲の構成やコードプログレッションを分析して頭に入れてから、本格的に弾く練習をはじめるのが当然なんでしょうが、せっかちなので無謀にも超難曲をピアノに向かっていきなり弾き始めるという、音楽をナメきっている私に、モンク大師から時空を超えた往復ビンタを頂いた気持ちでした。今でも、ようやく暗譜できたかできないかのレベルで、しかもトテツモなく下手クソです。

 

ここ3か月ぐらいは、バッハのインベンションのメジャーな曲をGb(F#)とDbとBメイジャーで、ユーミンの初期の曲をGbでぽつりぽつりと弾いてみるようになりました(バッハ親分とユーミン、どこからみても最強の組み合わせです。そして、両者の曲ともいきなりゴロッと転調する感じがします)。いまでも間違いまくって弾いています。

 

そんなことをしていたのですが、最近、「The Last Emperor」(教授の責任編集によるピアノ譜)の、キーがEbマイナーの部分の譜読みに、あまりビビることなくチャレンジしている自分に気がつきました。2年間仲良くなりたいと思ってやってきた効果が少しずつですが出てきていると思いました。

 

黒鍵ヘビーなキーたちと馴染みになるにはまだまだ時間がかかりそうですが、趣味なのでのんびり続けていこうと思います。Mark Levine氏の『The Jazz Theory Book』に、「Cへのバイアスをなくすような方法でスケールやリックの練習をせよ」と書いてあったので、Cメイジャーのえこひいきをやめて、引き続きGb(F#)メイジャーなどの黒鍵ヘビーなキーをえこひいきしていきたいと思います。

 

ピアノを始めたばかりの大人や子どもは、主体的に、練習のはじめに12キー全部でスケールを弾く習慣をつけたり、黒鍵の多いキーへ転調して弾いたりして、黒鍵の多いキーへの不要なアレルギーの芽を早期に摘み取っておくことが得策だと思います(そうしないと私みたいなことになる)。12キー全部で弾けることはジャズでは当然だし、ポップスもそうだと思います(ポップスでは、主要楽器であるギターの特性上、とくに♯のキーが重要になるのではと思います)。

 

クラシックでも、そうしたほうが後で楽だろうと感じます。ちゃんとした先生だったら12キーぜんぶのスケール練習を推奨するはずです(「フィス・ドゥーアは難しいから」などと不必要な脅かしを生徒に言うような先生はペケだよ、脅すつもりで言ってはいないんだろうけどね、大体は心の底からそう思っていて本心で言ってるんだよね。でも難しいとか簡単とかではなくて、単に慣れの問題だと思うんだよね)。

 

下記の動画では、ジャズピアニストの方が、子供の頃クラシックピアノの先生に、12キーのメイジャースケールを、1キーずつ徐々に訓練されたと語っていて、その重要性と練習方法を紹介しています。この方によると、ポップス、ジャズ、ロック、どんなジャンルでも(クラシックは言うに及ばずと思いますが)、メイジャースケールを12キーで弾けることが、総合力をつけるためにとても大切で、自分の生徒さんにもそのように指導しているとのことです(ザ・サークル・オブ・フィフス(the circle of 5th)の順番に1キーずつスケールを増やしていくそうです)。

Aimee Nolte Music: How To Practice Major Scales

 

(↑ この方は別の動画で、子供時代にスズキメソッドでピアノを習っていたと語っていましたが、アメリカでは子供時代にスズキメソッドでピアノやバイオリンを習ったプロのミュージシャンが目につくのは私だけ?ジェイソン・モランさん、ヴィジェイ・アイアーさんもそうだよね。そしてこの方、耳がメチャクチャいい!モンク大師やビル・エバンズをコピー&分析する動画もアップしている)

 

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ハーモニー(和声)の基本がわかる動画とバッハ親分

Rick Beatoさんのハーモニー(和声)の動画です。4声のハーモニーの作り方の基本を説明しています:

Rick Beato Everything Music: Tonal HARMONY | The SECRETS of Four Part Writing (SATB)

 

わたしは、作曲の先生に習いに行って、日本における和声学の最も有名らしい教科書の第1巻はなんとかやりましたが、なにぶんにも外れた粗忽者なので、レッスンでの先生の説明が理解できず、家に帰ってからその本を読み直してもゴルフのルールブックにしか見えなくてぜんぜん頭に入らず、本の内容を解読して自分なりに規則を図やチャートにしてレッスンに持って行くと、「この本は読んではいけないんですよ、レッスンで言われたことだけを覚えて問題をやってください」と言われて、読んじゃいけない本ってどんな本だ?と当惑しつつも、やっぱり説明を聞いてわずかな凡例を見るだけでは、英単語だけ覚えていきなり文章を書けと言われるのと同じ気がしたので、おおもとの実例を弾いて慣れればいいんだと思って、バッハのコラール集を買って4声の動き方やコード進行に慣れようと弾いていたら、「バッハのコラール集を弾いても今の段階ではあまり役にたちませんよ」と言われたところで、私の中で何かが切れてしまいました。だって、

 

YouTubeでいろいろな先生たちのハーモニーの動画を見ると、いの一番にバッハのコラールが例としてでてくるから、ハーモニーの親分はバッハだ、バッハ親分だっ!と思っていたのに、ハーモニーを習うしょっぱなの段階で「役に立ちませんよ」っていわれたことが、バカな私には理解できなかったからです。

 

この時から、わたしは日本で教えられている「和声学」は、日本の外で教えられている「ハーモニー」と何かが違うんじゃないか?と疑うようになってしまいました。そうなると、練習問題や模範解答も、なんだか味噌汁くさく感じられるようになってしまって、レッスンをやめてしまいました。あとでしらべたら、日本のその教科書の元ネタはフランスの何の某さんって人がつくった教科書らしくて、見ると書き方の形式がそっくりだったので、内容そのものは味噌汁臭くはないのかもしれませんが、すでにわたしの中では模範解答が『荒城の月』的というか、日本の明治の頃の西洋っぽいメロディーに聞こえるようになってしまったので、わたし的には無理になってしまいました(日本の伝統音楽が味噌汁やしょう油の匂いのかわりにバタ臭ければ極度に胡散くさくなるのと同じで、かつ方向が反対の反応です。プロの方は笑うでしょうが、素人の頭の弱い者が書いていることです、鷹揚にスルーしていただければ幸いです)。

 

先生はまっとうな方でしたし、かつて自分が習ったやり方で、生徒さんたちを教えているのだと思います。だから、その先生個人には何の問題もないと思いますし、むしろ、こんな粗忽者の私に辛抱強く教えて下さったと思います。だから、先生個人がどうというよりも、先生を含めた業界全体のなにか慣習的なものに、外れ者でバカな私がなじめない何かがあったんだと思います(いまは●大では違う教科書を使っているようです。新しい教科書は持っていませんが、たしかに古い教科書は、読むための教科書ではなかったのでしょう。読み手の便宜ではなく、書き手の便宜を図って作られたものでしょう。それを生徒がお金を出して買うんです。私もご報謝させていただきました)。

 

また、「根音」とか「開離配置」とか「アー・モール」と漢字やカタカナドイツ語で教わっても、わたし個人にとって意味があるのかなぁとずっと感じていたこともあります。ジャズやポピュラー用語の「ルート」とか「オープンポジション」とか「Aマイナー」という呼び方に慣れていたほうが、YouTubeのクラシック理論の英語動画を見るときに呼び方が同じなので、脳内でいちいち翻訳する手間が省けるからです。

 

Rick Beatoさんは、西洋音楽についてジャンル横断的な知識を持っていて、過酷なアメリカの音楽産業の中で生き抜いてきた方なので、動画の内容が興味深いし、音楽理論の動画も分かりやすいので、チャンネル登録して見ています。

 

それに、Beatoさんのハーモニー動画(上述リンク先)でも、バッハ親分のコラール249番を例に挙げているので、わたしとしてはホッとして見ることができます。ハーモニーの元祖となった作曲家たちの実際の作品を例にあげて説明してもらえると、グッと身近に、分かりやすく感じられます(そのように感じられたり、ハーモニー英語動画を見て基礎的なことがわかるのは、和声学の基礎編レッスンを受けたおかげですが、そのための投資額¥100,000.-はわたしにとっては高額でした。でも、和声は基本的には練習問題をやって先生に添削してもらって学んでいくそうなので、音大受験の生徒さんたちは和声学のためにその何倍ものお金を払うのでしょう。音楽の高等教育の受験は高額なんだなぁと恐れ入ると同時に、社会に出てからその全投資額を回収できる人はたくさんいるんだろうか?と思います)。

 

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ピアノを弾くときの姿勢やパワートレイン(体幹)で参考にした情報

ピアノ演奏のために、ヒト本来の姿勢とか、パワートレインとか、いろいろ書いていますが、下記のことを意味して書いています(エコロジー(生態学)のサーティフィケートがあるので、その分野からの思考が強いと思います):

 

ヒト本来の姿勢: ホモ・サピエンス(ヒト)の動物としての本来の自然な立ち方や座り方のことです。この姿勢の時に、地球の重力に対して身体に負担が最もかからなくなり、ヒトにとっていちばん楽な、リラックスした身体の状態になるはずです。だってそれが最も省エネ、つまり、やすやすとは手に入らない食べ物から作りだした貴重なエネルギーの最も効率的な使い方のはずだから。つまり、エネルギーを浪費するリキみや筋肉の緊張が最も少ない。本来の姿勢については、姿勢や整体や武道やスポーツやダンスやボディーワークなどの本やサイトに、いろいろな表現で説明されています。

 

パワートレイン: 自動車の動力伝達メカニズム(後輪~シャフト~前輪)のことですが、ヒトや四足歩行哺乳類のメカニズムと同じなので、この言葉を使いました。ヒトの場合は、腰(尾骨・仙骨・骨盤・股関節)~背骨~肩(肩甲骨・肩関節・胸鎖関節)です。このパワートレインがヒト本来の最も効率的な動きをするときは、ヒトがその命をつなごうとするとき(獲物を狩る、捕食者から逃げる)です。パワートレインが効率的に動くと、目の動きも俊敏になる気がします(生き残るためにだろうね)。また、パワートレインの動きにつられてチェストケイジ(胸郭)や肩関節や頭蓋骨が回転運動をします(ヒトを真横から見たときに)。

 

ピアノはヒトが身体をつかって弾くので、上記のヒト本来の姿勢でパワートレインが正常に動作しているときに、最も身体の負担が少ない、効率的な動きでピアノを弾けるはずです(当然のことだ)。

 

この結論に至るのに、下記の情報やサイトや動画を見てとても参考になりました:

 

合気道: 佐々木合気道研究所のサイト(膨大な数の論文を掲載。体幹、身体の動かし方、回転運動、心技体の大切さなど、包括的に網羅されていて、大変参考になった)

 

日本の武術: いろいろな古武術のサイト。音楽家も習っているようです。

 

ボクシング: プロの方、アマチュアの方(たんげ姐さん)のブログ。いろいろな気づきをもらえました。

 

野球: baseball performance laboの股関節の回転に関する記事にハッとさせられた。その他の野球のトレーニングのコンテンツやプロ野球選手の著書やブログもとても参考になる。

 

ボディーワーク: フェルデンクライス、あべこべ体操、アレクサンダーテクニック、クレニオセイクラルなどのサイトや動画。チーターが走る動画を掲載している方のサイト(アレクサンダーだったかな?)。チーターの走る動画は強烈なインスピレーションになった。

 

整体・筋トレ: 各種整体院や筋トレやストレッチのサイトや動画。立腰(りつよう)のサイトなど。こんにゃく体操。肩甲骨、仙骨、尾骨、舌の位置、骨盤、股関節の柔軟性の大切さなど。これらが背骨につながっていて、ひとまとまりのセットとして動くことが肝心かなめのことだとわかりました(⑤もそうです)。

 

テニス:2001年のウィンブルドンテニスの女子準決勝(V.ウィリアムズ vs ダベンポート)の試合中継を見た記憶。ヴィーナスとダベンポートの動きの特徴と違い(この死闘が実質的な決勝戦だった)。

 

その他:ヨガやピラティス、ヒップホップダンス、インドにあるズンバの教室の動画など。ヒトが身体を動かしてするものは何でも参考になります(当然だ)。

 

ピアニストの動画:PianoCareerAcademyのIlinca Vartic先生の腕~指先の動きと、先生の華奢なのに肩まわりと背中が分厚い体格。Jason Moranさんのリラックスした腕の動きと、肩まわりと背中の分厚さと、なで肩体型。Craig Tabornさんの、まるで柔道家のような体格と、演奏時のピシッとしているのに力みのない姿勢、演奏でノッてきたときのパワートレインの動きとそれに伴うチェストケイジ(胸郭)や頭蓋骨の回転運動、常に理想的な手の形(hand dome)、打鍵の強弱や硬柔を変幻自在に変えられる肩~腕の動き。

 

ピアノ関係のサイト:クラシックピアノのサイトで、手首の回転運動(右手首は反時計回り、左手首は時計回り)について書いているサイトがあって、去年のころは参考に手首を回して弾いたりしていましたが、今は、パワートレインの動きが各関節で回転運動に変わりながら伝わった結果として手首も自然に回転するということがわかったので、おおもとの肝心かなめのこと(ヒト本来の姿勢と、パワートレインの作動)が、肝心かなめのことだと思います。

 

ピアノも武道もスポーツもヨガもヒップホップダンスも、ヒトが身体を動かしてする活動なので、おおもとの肝心かなめ動きはぜんぶ同じということですね。自然な姿勢のとり方については、いろいろな本やサイトがいろいろな表現で説明していて、どれもこれも真実だと思いますが、どの表現に自分がピンとくるか、それから、身体の柔軟性や筋力も人それぞれなので、結局は、いろいろな情報を頭にインプットしつつ自分自身で試行錯誤して会得するしかないような気がします。

 

さいごに、こんなトーシロのわたしでも、いろいろ調べて試行錯誤して追求しているので、ピアノを教えることでお金をもらっているプロの方も、ピアノ演奏の肝心かなめのバイオメカニクスをお客様(生徒)に説明できるように、ぜひ勉強を重ねてほしいと思います(これができないと、もともとそれを体得していないお客様(生徒)は力んだ末端を動かすばかりでいつまでたっても上達せず、生産性の悪いレッスンとなり、レッスンのバリューの低下を招く)。

 

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ピアノ演奏の、というか生きるための自然な姿勢

ホモ・サピエンス本来の動物的な動きを自分で試行錯誤しているうちに、ヒト本来の立つ姿勢や座る姿勢ができると、こんなにも肩の力が抜けて、腕全体の力も抜けて、両肩がズズーッと下がってくるもんなんだなぁとびっくりしています。

 

背骨のカーブが決まると、両肩というか鎖骨が下がってきて、首まわりの筋肉が伸びて、気持ちいいことこの上ありません。物心ついてから今まで何十年も、とんでもない姿勢で生きてきたことに愕然とする一方で、生きているうちに気がついて良かった、と心底思います。

 

ただ、この姿勢を基本にして、歩いたり、踊ったり、ピアノを弾いたりするためには、さらに訓練というか、慣れていく必要がありますし、第一、この姿勢をキープすることが、今の私にはとても難しいことです。

 

まずは、

①身体の柔軟性をもっと上げて、パワートレイン(ヒトの場合は、尾骨・仙骨~股関節~背骨~肩甲骨~胸鎖関節つまりは体幹を構成する骨格の動きの連動)を潤滑にして、力の伝達を効率化すると同時に、

②ヒト本来の自然な姿勢(背骨のカーブ)を維持できるように、腹筋や腰回り(丹田)や下半身の筋肉を強化する、

ということが絶対的に必要だと感じます。

 

それができると、わたしもヒト本来の動物としての動きを取り戻すことができて、そもそもの日常生活や身体の健康が大幅に向上すると思います。

 

その上で、スポーツでもヒップホップでもピアノでもドラムでも何でも、自分の好きなことをやれば、フィジカル(身体的)でメカニカル(機械的)な動物的側面で悩むことを少なくできて、その分、頭脳的・戦術的・芸術的な、人間ならではの側面に脳を注力させることができます。

 

と思うのは、このホモ・サピエンスの自然な姿勢がわかるようになって、そのやり方でピアノを弾き始めると、難しいテクニックや、今までに習った先生たちに言われて四苦八苦してきたことが、いともあっさりできるようになってきたからです。たとえば:

☆親指くぐり(thumb crossing)。これがピアノのメカニカル技術のマスターの聖杯(holy grail)だと思う)が上達してきた、

アルペジオの正確性が上がってきた、

☆スケールをコロコロ弾けるようになってきた(真珠のように粒が揃ってきた←フランス語の言い方忘れた)

☆右手のコード弾きのときに、小指のメロディーだけ強く弾けるようになってきた

☆小指の弾く形が、PianoCareerAcademy の IlincaVartic先生の言うとおりの形になってきた、

☆いままで複数の先生に「親指を返すときは手の力を抜け」、「アルペジオでは肘から返すな」、「右手の小指のメロディーを強く弾くときには腕を振れ」、「コードを弾くときは、先に手の形をしっかり作ってから鍵盤を叩け」などなど、末端の動きの指導をいろいろ受けましたが、ヒト本来の自然な姿勢ができた上で、パワートレインの本来の動かし方ができれば、そんな末端のことをいちいち頭で考えなくても、ぜんぶ自然にできてしまうんだということがわかった。

 

つまりは、指や手や腕といった末端のことを忘れ去って、姿勢とパワートレイン(とくにパワーの原動力であるヒトの「後輪駆動部」)を意識して弾いたほうが、はるかにリラックスして、メカニカル的に上手に、そしてハッピーに弾けるということがわかりました。

 

そして、ヒト本来の動きで弾けば弾くほど、肩まわりがほぐれてきて、肩こり解消にもなるんだなぁと感じています。ヒト本来の姿勢と動きでピアノを弾けば、肩がほぐれてヘルシーになるんだ (だから、ピアノを弾いて肩が凝るようだったら、ヒト本来の姿勢や動きができていなくて、不自然な姿勢や動きで弾いているので、ピアノを弾くとますます肩が凝るし手も傷める)。

 

体幹ではなくて末端の、指の形や手の形や腕のことばかりを意識して弾けば弾くほど、肩に力が入り、ということは、ヒト本来の自然な姿勢がくずれ、パワートレインが作動せず、不自然な動きになるので、うまく弾けずに、ますますやっきになって、さらに指の形や手の形や腕のことばかり気にして弾くので、力まかせに末端を無理に動かすのでガツガツ弾きになり、指や手を痛めるまで悲痛に練習して、そして手を壊す、という、まったくもって愚かしくも無駄なことを喜劇的に繰り返すことになります(悲劇じゃないよ、傍からみれば喜劇にみえるよ。でも、それってピアノ教育業界に大いに責任があるんじゃないの?だって、生徒さんをちゃんと指導できてないってことだよね。だいたいちゃんとしたノウハウもってるの?と疑いたくなります。そういうことを含めて私はピアノ教育業界を見斬って今は独学してます)。

 

そのことが、先月末から今月はじめにかけて、見えてしまったので、もうピアノで小手先の動きを意識するのはやめました。

 

また、腕や手首を脱力しろ!といいますが、ヒト本来の姿勢をとれば、意識しなくても、肩~腕~手首は勝手に脱力してくれます(力を入れる気にもならないくらいダラ~ンとして気持ちい~)。でも、ヒト本来の姿勢ではない猫背や胸を反らしすぎの姿勢で脱力しろと言われても、肩が内側にこわばって(猫背)いたり、外側につっぱらかっている(胸反らしすぎ)ので、絶対に脱力できません。なぜなら、肩~腕~手が脱力するために力をいれておかなければならない部分に力がはいっていないので、肩から腕にかけてこわばらせないと姿勢を保てないからです。

 

そんな姿勢でピアノを弾いても、そもそも動力源(体幹)からの力の伝達ができないうえに、力が伝わってきたとしても、姿勢を保つためにこわばらせた肩(と胸鎖関節)で力の伝達が止まってしまいます。だから、腕から先の力に頼る以外に方法がないのです。

 

ですから、ヒト本来の姿勢をちゃんと教えてあげないのに「脱力しろ」というのは、カエルに向かって「跳びあがって月を取れ」と言うのと同じで、できもしないことをやれと言う、残酷な指導です。

 

もちろん、ピアノを弾くときに、肩~腕~指先の力が完全に抜けてしまうわけではないと思います。ただ、ピアノを弾くために必要な力の大部分が、パワートレインの動力が伝わってきたものだということだと思います。そして、腕や指の筋肉や肘や手首の関節は、その動力を伝えたり、方向を変えたり、逃がしたり、その力を受け止めて踏ん張ったりする、力の調節のために主に使われていると思います。

 

そして、たとえば、そうやってパワートレインからの力を受け止めて無意識に踏ん張った手の形が、結果的にヒトにとって力学的に最も自然なドーム型(hand dome/arch)になるわけで、おおもとの肝心かなめの自然な姿勢とパワートレインのことを教えずに、結果的にできた手の形だけ教えても、何にもならないと思います。

 

以上ここまで書いてきたことを悟ったのは、合気道(日本武術)・野球・ボクシングのサイトやブログを読んだおかげです。姿勢や体幹の使い方の内容がとても充実していて、たくさんのヒントを頂きました。それをもとに試行錯誤した結果です。先日の記事にリンクを掲載したマラソン指導者の方の記事も、本質のメカニズムに光を当てています。というか、本来は、ヒトがその身体を動かして行う運動や活動は、スポーツでも格闘技でもダンスでも楽器演奏でも、基本の動きはみな同じということです(当たり前だ)。

 

それが、ピアノを含めた楽器演奏の分野で、ようやく言われるようになったのは、フィジカル面の要求が高いアコースティックな楽器演奏の経済規模が小さい(お金にならない)からでしょう。プロ野球やオリンピックの経済規模にくらべたら、吹けば飛ぶような規模でしょう(同じ音楽でもポップスの経済規模ははるかに大きい)。お金がないところには、ノウハウ研究への投資も乏しくて、科学的な研究がなかなか進まないので、アナクロなノウハウや非科学的な表現が残り続けてしまうことは理解できます。

 

しかし、それだけでしょうか?ピアノを含めて、音楽を仕事や趣味にする人たちの心のどこかに、格闘技やスポーツを「単に身体をつかうもので芸術的ではない」と見下して学ぼうともしない気持ちがないでしょうか。また、舶来思考・西洋崇拝が強いために、日本古来の武道に見向きもしないという心の貧しさがないでしょうか。楽器の演奏、とくに、白人男性が作り発展させてきたピアノのようなデカい楽器の演奏は、弾くこと自体がスポーツであり、まして、ちっぽけでやせっぽちの東洋人にとっては更に重労働になりますから、相対的には白人男性以上に身体能力のあるアスリートでなければまともに弾くことができないのは明らかです(「女こどものお手習い」を超えた次元を目指すのであれば)。また歴史的にほとんどの作曲家が白人男性ですから、10度に届かなければ、弾ける曲が物理的に限られてしまいます(ジャズピアノでも人種が違うだけでフィジカルの問題は同じ)。ルールはアウェイで作られています。サッカーの日本代表が「世界のレベル」で戦うのと同じ苦労があります。

 

貧弱なフィジカルの人間が世界のレベルで同等にやるためには、自分のホームで作って発展させたゲームやルールでプレーすることです。YMOヤマハDX7など、日本人が採用したソリューションは、鍵盤楽器の演奏の一部を機械化することだったのかもしれません(でも教授の手の大きさは世界標準だと思う、教授責任編集のピアノ譜によると)。

 

さいごに、日本武術(武道)や格闘技やスポーツは、歴史を通じて人間が命のやりとりをしてきた(決闘や戦争)なかで、命のやり取りをせずに勝ち負けで雌雄を決めるように発展してきたものですから、これ以上頭脳を極限的に使う活動はありません(命がかかったものがルーツですから)。

 

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